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メタジェンセラピューティクス様

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メタジェンセラピューティクス様

腸内細菌を用いた医療の事業基盤となる
腸内細菌叢バンクをAWSに構築。柔軟性・成長性・コストパフォーマンスに配慮した構成を実現

Konica Minolta

概要

メタジェンセラピューティクス様は、ヒトの腸内細菌叢(そう)に関する技術を活用し、「腸内細菌叢移植(FMT)」の社会実装とマイクロバイオーム創薬を推進する順天堂・慶応・東工大発の医療スタートアップです。FMTは、健康な人の便に含まれる腸内細菌叢を患者の腸内に移植することで腸内細菌叢の乱れを改善する治療法で、その実現には患者とドナーをつなぐ場が必要となります。ベンジャミンでは、同社が2024年4月にサービス開始した腸内細菌叢バンク「J-Kinsoバンク」の構築を支援しました。

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  • 柔軟性やスピード、コストパフォーマンスを 重視
  • 複数のシステム関係者を組み合わせるインテグレーション
  • 個人情報の管理やセキュリティの確保
Konica Minolta
  • SaaSやマネージドサービス活用による拡張性を実現
  • 想定したスケジュールでのサービス開始
  • ユーザー権限の管理や統制・セキュリティの確保

難病に悩む人たちに、 新たな治療法を提供したい

ヒトマイクロバイオームとは、ヒトの体のいたるところに生息している細菌叢のことを指します。特に腸内には多くの細菌が存在しています。近年の研究では腸内細菌叢のバランスの乱れが一因となって、様々な疾患が引き起こされることが明らかになっています。中でも炎症性腸疾患は日本の指定難病の中で最も多い病気とされています。メタジェンセラピューティクス(以下、MGTx)様は、健康な人の腸内細菌叢を移植するFMT(Fecal Microbiota Transplantation)という治療方法に着目し、腸内細菌叢移植の社会実装や創薬に取り組む医療スタートアップです。
同社では、腸内細菌叢バンクの需要を確かめるべく、2023年4月にバンク創設のためのシステム構築を目的としたクラウドファンディングを実施しました。このプロジェクトを担当した社長室 渉外担当の高見 香織様は「ドナー希望の方、それから腸内細菌叢バンクを設立することに同意していただいて、応援してくださる方を募集しました。幸運にも当初の目標金額を超え、期待以上の認知を得られました」と振り返りました。
その後、腸内細菌叢バンクの商用サイトを構築するにあたり、個人情報の管理やセキュリティの確保、複数のシステムを組み合わせるインテグレーションなどに関する課題が生じました。
腸内細菌叢の提供には多くのステップがあります。まず、ドナー希望者は現在の健康状態、感染症に関する既往歴、食事状況、海外滞在歴などに回答するウェブ問診を受けます。そこで基準を満たした場合、ドナー候補者としてバンクに登録できます。また有料オプションで腸内細菌叢検査を実施できます。次に、ドナー候補者は医療機関にて厳格な適性検査(医師による直接問診、血液、唾液、便検査など)を行います。ドナー適格者となり、便の提供に同意すると、バンクは提供された便から腸内細菌叢溶液を作り、医療機関に提供します。そして、患者への移植は医療機関が行います。本プロジェクトでは、前半のウェブ問診から腸内細菌叢検査までのサービスを構築しました。
MGTx様は、さまざまな要件を持つ腸内細菌叢バンクの実現に向け、スケーラビリティやセキュリティ、コスト面を重視し、クラウド環境が最適と考え、AWS上での構築を選択しました。プロダクトマネージャー兼ITアーキテクトの黒澤 晋様は「クラウド事業者はいろいろありますが、AWSは要求事項に合致した事例や知見が多く見つかります。信頼性が高く、安心して利用できるという印象を持っていました」と話しました。高見様も「AWSは連絡先が明確で日本語でやりとりできる担当者がついていただけたので、安心しました」と加えました。AWSには、スタートアップ企業を支援ための割引プログラムを提供していることもあり、MGTx様はその対象となりました。

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メタジェンセラピューティクス株式会社

高見 香織 様 社長室 渉外担当

柔軟性、拡張性、コストパフォーマンスに配慮した構成に

AWSの担当者は、MGTx様に対しAWSパートナーネットワークの開発会社を紹介しました。数社からの提案を受け、MGTx様が依頼を決定したのがベンジャミンです。採用の決め手について黒澤様は「私たちの要望を理解し、ビジネス面でも技術面でも最適な提案をしてくださいました。例えば、管理ダッシュボードの開発コストを抑えるために高品質なテーマを選定し、また運用コストが下がるよう設計の修正も行っていただきました」と説明しました。
腸内細菌叢バンクの商用サイト開発は、2023年の夏頃から検討が始まり、柔軟性や成長性、コストパフォーマンスを重視した構成で開発が進みました。ウェブ問診用のアンケートシステムや認証・認可基盤、決済代行の仕組みにはSaaSを導入して開発コストや期間を抑え、エンドユーザーに情報を伝えるサービスサイトはオープンソースのCMSを使いました。
検査機関から納品される解析結果は、情報をわかりやすく整理したレポートとしてドナーに提供されます。このレポート共有の基盤にはマネージドサービスのAmazon QuickSightを採用しました。黒澤様は「スクラッチ開発に比べて自由度は低くなりますが、ニーズや研究開発の状況に応じて当社の担当者がノーコードでレポートの開発・反映をすることができる点に加え、行レベルのセキュリティやシングルサインオン連携により顧客ごとのレポートの出し分けられる点がマッチしました。専門性を必要とするコアなプログラムは当社で開発し、インテグレーションはベンジャミンに担当してもらうことで、タスクを分担しました」と説明しました。
個人情報を扱うため、セキュリティやガバナンスにも気を配りました。「AWSではCloudTrailにより詳細なログを取得可能ですし、IAM Identity Centerを使ってプロジェクト関係者の権限の集中管理もできます」(黒澤様)

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メタジェンセラピューティクス株式会社

黒澤 晋 様 プロダクトマネージャー・ITアーキテクト

予想以上の反応を得て、将来のサービス拡張に期待

開発途中でユーザーフローを再検討する期間や、クラウドファンディングに参加した人による本サービス開始前の試験運用のフィードバックを経て、腸内細菌叢バンク「J-Kinsoバンク」は2024年4月にサービスを開始しました。
アカデミア発の新たな取り組みとあって、複数の新聞社をはじめとするメディアも注目しました。高見様は「当初の予想を上回るドナー申し込みがありました。大きな反響を得られたことに驚き、腸の健康や、腸内細菌叢のドネーションに関する人々の興味を実感しました。関係者全員が、未知の分野で手探りしながらも尽力してくれた結果です」と語ります。
ベンジャミンの支援について黒澤様は「技術面でのサポートが非常に心強く、相談すると必ず前向きな提案をいただけます。実現が難しそうなことでも工夫を凝らしてくださるので、大変ありがたいです。また、利用者からの期待に沿うために開発フェイズ終結間近に大きな変更を決断しましたが、優先度を常に見直しながら開発していくことで全体を滞りなく進めることができました」と話しました。
MGTx様は「J-Kinsoバンク」のサービスや機能をさらに拡充する予定です。ドナーを集める部分はできましたが、今後は腸内細菌叢溶液の製造や医療機関との連携も含め、さまざまなシステムが必要となります。将来の展望について黒澤様は「多くのドナーを集め、維持していくためには、サービスの継続的な改善が必要です。患者様のみならずドナーの方々を含め、広く人々の健康を支えるシステムを目指してまいります」と力強く語りました。ベンジャミンとしても、システムの設計・構築において全力で支援いたします。

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お客様の声

「技術面でのサポートが非常に心強く、相談すると必ず前向きな提案をいただけます。実現が難しそうなことでも工夫を凝らしてくださるので、大変ありがたいです。また、利用者からの期待に沿うために開発フェイズ終結間近に大きな変更を決断しましたが、優先度を常に見直しながら開発していくことで全体を滞りなく進めることができました」

利用した主なAWSサービス

  • Amazon QuickSight
  • Amazon CloudFront
  • AWS WAF
  • AWS Lambda
  • Amazon S3
  • AWS AppSync
  • AWS Amplify

構成図

Diagram

お客様概要 / メタジェンセラピューティクス株式会社

所在地
本社〒997-0052 山形県鶴岡市覚岸寺字水上246-2
東京事務所〒105-6415 東京都港区虎ノ門1丁目17-1虎ノ門ヒルズビジネスタワー15階
事業内容
マイクロバイオームサイエンスを活用した創薬・医療事業
メタジェンセラピューティクス様は、腸内細菌叢(そう)バンクの構築により、「腸内細菌叢移植(FMT)」の社会実装と「マイクロバイオーム創薬」を推進しています。近年、腸内細菌叢と様々な疾患との関連が明らかになり、諸外国ではFMTが治療として実施され、マイクロバイオーム創薬が活発に行われております。日本におけるFMTの社会実装には、患者とドナーをつなぐ「腸内細菌叢バンク」の構築が不可欠であり、同社はこれを構築することで、FMTに用いる便の収集および細菌叢溶液の調製を支援しています。