お客様の声|株式会社センキョ:タウンマッチ

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センキョ、専門家によるAWS内製化支援によってシステム開発の内製体制を構築

ソフトウェアプロダクト企画・開発・運用の自走ができるチームに

お客様概要

政治家の選挙運動をデジタルでサポートすることを目的として事業をスタートした株式会社センキョ様は、政治家や自治体、メディア、企業などと市民との距離を縮めることを目的とした調査サービス「タウンマッチ」を、AWS環境にて提供しています。しかし、自社内にWebシステム開発の専門知識を持つメンバーが少ないため、サービスの改善や新しいプロダクト開発に時間がかかるという課題がありました。そこで、タウンマッチの開発を支援した株式会社ベンジャミンの「AWS内製化支援・トレーナーサービス」を活用し、自社内にソフトウェアプロダクトの企画・開発・運用体制を築くことに成功しました。

市民・社会に貢献するサービスを提供

 株式会社センキョ様は、政治家の選挙活動や選挙活動のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進を行う企業です。活動管理、名簿管理、地図マッピングなどを実現するプラットフォーム「スマートセンキョ」という政治家の選挙運動をデジタルでサポートするサービスから事業をスタートし、政治家のWebサイトやSNS運営の支援も行っています。そして、有権者と政治家をゆるやかにつなぐプラットフォーム「センキョマッチ」を開発し、実業家の前澤友作氏の「前澤ファンド」からも出資を受けていることから、2022年6月には政治についてのアンケートへの協力者全員に 100 円から 100 万円を贈るキャンペーン「全員お金贈り by センキョ」を実施しました。その際にAWS環境にこのサービスを構築したのが株式会社ベンジャミンです。株式会社センキョの代表取締役 堀 浩之 様と、株式会社ベンジャミンのCEO 川尻 純が旧知の仲だったことから取引がスタートしました。プロジェクト期限はタイトでしたが、AWS Amplifyを利用することで短期間に開発をすすめ、「全員お金贈り by センキョ」は、2日間で367万人の市民の意見を集めるなど、大きな成功を収めました。

 実はそのころ、堀様をはじめとする株式会社センキョ様の経営陣は、システム開発の外部依存を課題に感じていました。開発メンバーは外部も含めて3〜4人程度でしたが、AWSの知識やPythonやJavaScriptといったWebシステムに必要なプログラミングスキルを持ったメンバーはいませんでした。そこで株式会社ベンジャミンに開発を依頼するだけでなく「AWS内製化支援・トレーナーサービス」を使って、社内のスキルアップに取り組んでいきました。堀様は「ベンジャミンは技術力・提案力に加え、柔軟性もあります。当社のミッションや文化にも共感していただき、システム内製についても相談しました」と振り返ります。

AWS環境を有効活用し、開発・運用しやすい体制に

 「センキョマッチ」がユーザー数386万人を超え、「タウンマッチ」としてリブランドされ、市民の声を政治家、自治体、メディアに伝える調査プラットフォームとして進化しました。このビジネスモデルでは、様々な顧客に対してアンケート調査を提供し、料金は設問や対象市民の数に応じて変わります。しかし、約400万人分のデータ集計と分析には多大な労力が必要でした。これに対処するため、データ分析基盤の構築を依頼し、Amazon Redshift Serverlessを使用して効率的かつコストパフォーマンスの高い分析基盤を確立していきました。

 株式会社ベンジャミンの「AWS内製化支援・トレーナーサービス」は、自社でのAWS開発・運用を目指す企業のための「開発支援」「教育支援」「採用支援」を提供するサービスです。「センキョマッチ」の改善の過程で、株式会社ベンジャミンは株式会社センキョ様への各種スキル伝承や内製開発体制の構築支援を行っていきました。当初は川尻がプロジェクトマネージャーとなり、株式会社センキョ様のビジネス担当が求める要件を整理し、開発自体は株式会社ベンジャミンのメンバーが主導する形でスタートしました。

 スタートアップ企業でもある株式会社センキョ様は、プロダクトの方向性や要件の変更が頻繁に起こりやすい特性を持っているため、株式会社ベンジャミンはまずマネジメント層にDevOpsの必要性を説明し、今後内製メンバーの負担を減らすためにもAWS Amplifyなど、マネージドサービスを多用してCI/CD環境を構築することを推奨しました。極力シンプルな仕組みにすることで、開発・運用への参加障壁を減らしたのです。

 プログラミングやAWSサービスの利用に関する技術伝承は、プロダクトのマイルストーンに合わせた学習課題を通じて行われました。初めは簡単なタスクから始め、PythonやJavaScriptコードの記述やAWSの各種設定を任せ、株式会社ベンジャミンのメンバーがレビューしてフィードバックを提供して定着を目指すスタイルで進めました。さらに、株式会社ベンジャミンはシステム開発だけでなく、エンジニアやプロダクトマネージャーの採用活動にも関与しました。採用面接に参加して、応募者のスキルセットや株式会社センキョ様の文化への適合性を評価し、適切なアドバイスを行いました。

社員に権限を委譲し、自走できる環境に

 株式会社ベンジャミンの支援によって株式会社センキョ様社内に技術伝承が行われ、ビジネス要件に合わせた継続的なリリースを実現し、計画通りにサービスを提供できる体制が整いました。AWSのマネージドサービスを中心に構成された環境により、インフラの保守に関する懸念がなくなり、エンジニアは価値創出に直接関わる開発や運用に集中できるようになっています。また、「タウンマッチ」のデータ分析基盤を利用して、ビジネスインテリジェンスサービスのAmazon QuickSightを使用し、データから様々な視点での集計や分析が可能なダッシュボードを構築するなど、サービスの価値を高めていきました。堀様は「内製支援を受けてから半年程度で、ある社内のチームが自走できるようになりました。ビジネス担当とシステム担当の連携がスムーズになり、お客様に対してよりプロアクティブな動きがとれるようになっています」と語りました。

 株式会社ベンジャミンでは現在も株式会社センキョ様の内製支援を続けていますが、その間に株式会社センキョ様では新しいプロダクトも創出しました。AIを活用した自治体向けの問い合わせ対応支援サービス「GOV AI」です。これは、自治体内部に保有する膨大な資料を検索し、問い合わせ内容に応じた回答を生成し、業務改善に寄与するAIチャットボットシステムです。「GOV AI」を担当したプロダクトマネージャーは、新たに株式会社センキョ様に加わったメンバーでしたが、株式会社ベンジャミンから要件定義やプロダクトオーナーに確認をとるポイントなどのアドバイスを得て、2ヶ月ほどで自走できるようになり、活躍しています。

 このように、AWSのマネージドサービスを活用した運用しやすいシステム開発基盤の構築と、スキルやカルチャーを重視した採用支援により、新しく加わったメンバーたちが開発に着手するまでのオーバーヘッドを最小化することができました。このアプローチは、新メンバーが迅速にプロジェクトに貢献し、効率的に業務を進めることを可能にし、チーム全体の生産性向上に大きく貢献しています。

 市民の声を、より社会に反映できるようになる「ワクワク」を実現しようとしている株式会社センキョ様。堀様は最後に次のように語りました。「弊社では、社員に大きな権限を渡し、自走して動くことを推奨しています。株式会社ベンジャミンの協力によって、エンジニアやプロダクトマネージャーが働きやすい環境を構築し、政治や行政に関わる規模の大きなプロジェクトを、スピード感をもって実行できるようになりました」

お客様の声

株式会社センキョ代表取締役 堀 浩之 様

「内製支援を受けてから半年程度で、ある社内のチームが自走できるようになりました。ビジネス担当とシステム担当の連携がスムーズになり、お客様に対してよりプロアクティブな動きがとれるようになっています」

「社員に大きな権限を渡し、自走して動ける環境を推奨しています。株式会社ベンジャミンの協力によって、エンジニアが働きやすい環境を構築し、政治や行政に関わる規模の大きなプロジェクトを、スピード感をもって実行できるようになりました」

企業概要

会社名:株式会社センキョ

所在地:〒107-0062 東京都港区南青山7-1-7 C-Cube南青山ビル6F

事業内容:Webシステムの開発・運営、Webサイトの制作・保守、名刺・ポスター・DMなどのデザイン、SNS運用支援

従業員数:27名(2023/12/04 時点)

株式会社センキョ様は、ビジョン「民主主義をもっとスマートに、日本をもっとワクワクする国に」を掲げ、政治家や自治体向けのオンラインプラットフォームを運営している。同社は、政治家の選挙運動をサポートする「スマートセンキョ」の提供から事業をスタートし、活動管理、名簿管理、地図マッピングなどを可能にしてきた。さらに、386万人の市民と政治家、自治体、メディアをつなぐプラットフォーム「タウンマッチ」の運営に加え、生成AIを活用した自治体向けの問い合わせ対応サービス「GOV AI」も提供するなど、事業領域を拡大している。

主な効果

  • ビジネス計画に沿ったソフトウェアリリース体制を実現
  • プロダクトマネジメント担当の自走が可能に
  • CI/CD環境の構築によって開発・保守の作業が楽に
  • 採用支援により新メンバーの開発着手までのオーバーヘッドを最小化

利用した主なAWSサービス

  • AWS Amplify
  • Amazon Cognito
  • Amazon DynamoDB
  • AWS Lambda

構成図